本になる、よろこび

一昨日、初めて新作『咲く 散る 実る』を製本し、重石を乗せて乾燥させていたものが、ようやく仕上がりました。

カバーを掛ける前の状態です。

できばえを確かめるときの、出来たての、ぱりっとした感覚は、いつ触れてもいいものです。

表の見返しは、春の桜の木の絵を。
裏の見返しは、秋の桜の写真を。

見返しの紙にプリントを施したのは、今回が初めてでしたが、本を開いた瞬間から、桜の世界が開ける感じがして、なかなかよかったと思います。

扉も、桜の写真です。

本文にある写真や絵は、文章のイメージがふくらむものを、あるほなつき作品の中からあてています。

これは、あるほの2013年の作品です。
これは、「KOKAGE KOMOREBI」の制作時に描いたもので、まだ出番がなかった絵です。

どの写真や絵も、文章ありきで撮った、または描いたものはひとつもなく、今までの表現活動の中で生まれた作品たちであるということは、あるほなつきの本作りの特徴といえるでしょう。

文章ができあがったときに、思い浮かぶもの。

「この感じ、あの時に撮った写真をあてよう」

「あのシリーズの中に、こんな絵あったよね」

そうやって、写真や絵を当てはめていきます。

『木の玉っころちゃん』は、TAMAの顔の表情を読み取ることで物語が生まれますが、その逆の作業をしているのです。

「ことばに縛られずに、作品をつくりたい」

これからもまた、新たなアイディアを絞り出しながら、作品を生み出していきたいと思っています!