写真絵詩集『咲く、散る、実る』が完成したのは、ちょうど一年前の今日でした。
「桜と人との関わりを描いた本をつくりたい」あるほがそう言ったのは3年以上前で、その年の春に桜の写真を撮りに行ったりスケッチしたりしていました。その当時は、ソメイヨシノと山桜を対比させたようなストーリーを考えていたのですが、桜について調べれば調べるほど、最初の構想のままでは納得できなくなり、もっと深い内容を盛り込めそうだということで、出版を先に伸ばしたのでした。
次の年もまた、山桜を撮影しに鮭川の羽根沢温泉の方へと向かいました。ストーリーは最初とは違う物になりましたが、山桜は必須でした。
そして、お祭りの時のソメイヨシノの華やかさもまた、必要でした。
「空気シリーズ」から、「進化シリーズ」へ。
この時にはまだ「進化シリーズ」という言葉も生まれてはいませんでしたが、木や植物と人間との進化の過程でのかかわりを描いたストーリーになったこと、昔からこの地球上に存続してきた植物の歴史を遡っていくうちに、いつのまにか植物の誕生、はては宇宙の誕生にまで行き着いていたことから、のちに「進化シリーズ」と名づけられることになりました。
このあと、『咲く、散る、実る』から派生した本『ぬきつぬかれつ』もすぐに完成します。これが進化シリーズの第二弾です。
『ぬきつぬかれつ』は、植物と人間の進化についてを取り出して、子供たちにもわかりやすい物語にしたものです。読み聞かせなどでも、とても喜ばれる一冊です。
空気(目に見えないもの)と進化(時間と空間とそれにともなう変化)は、あるほなつきの本作りのテーマの主軸となっています。それにとらわれることはありませんが、これからも「作りたい!」と思う心に素直に従って、表現活動をしていきたいと思っています。