![](https://i0.wp.com/rootsplanning.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/05/013-1024x805.jpg?resize=525%2C413)
その手法とは、言葉に縛られる前に、五感と記憶と経験によってまず撮影を試みる方法である。そして撮影した写真を徹底的に見返すことにより、言葉を浮かび上がらせるのだ。
![](https://i0.wp.com/rootsplanning.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/05/004-1024x819.jpg?resize=525%2C420)
このとき最初に、浮かび上がってきたのは、匂いと記憶の結びつきである。
雨が降った後のアスファルトの匂い、覚えていますか?
![](https://i0.wp.com/rootsplanning.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/05/006-1024x819.jpg?resize=525%2C420)
撮影している最中の匂いを頭は覚えていて、そして、立て続けに言葉が頭に広がった。小さい頃、アスファルト、公園、夕立後の匂い、太陽に照らされた、北千住駅の階段を上り地上へ、ビル、ガラス、反射。
![](https://i0.wp.com/rootsplanning.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/05/005-1024x819.jpg?resize=525%2C420)
頭に広がった言葉は、一つのシーンではなかった。このことが、多くの共感に繋がるのではないかと確信したのは、嗅覚から聴覚へと思考をシフトしたプロジェクト「VOICE」としてまとめた、もう少し後のことだった。
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![](https://i0.wp.com/rootsplanning.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/05/014-1024x805.jpg?resize=525%2C413)
「みぢかなところ」前田有歩作品展 Aug. 13–Sep. 1, 2013
東京から来て 自分でお米をつくった
水がたくさん必要だった
堰はつながっていた
西蔵王まで
みんなで 堰の掃除をした
みんなで 沼の周りの草刈りをした
いつしか みぢかになった そんなところ
(つづく)