木の玉っころちゃん誕生物語①

 結局私は、半信半疑、半分嫌々、描いてみることにした。こんなもの作って、なんになるのかなあ… はじめは、好きなように顔を描いてみた。ペタペタペタペタ、さらさらさら、ぬりぬりぬり。うん、なかなかかわいいな!はい!次!ペタペタペタペタ、さらさらさら、ぬりぬりぬりぬり…。 描いてみると、なんてことはない、楽しくて時間を忘れていた。 あっという間に、あるほさんが用意してくれた木の玉は、一つ残らずいろんな表情に彩られた。泣いたり笑ったり悩んだりびっくりしたり…。 できるわけないと思っていた赤い傘をさした女の子も、これでいいのかわからないけれど、頭のてっぺんにちょこんと乗っけた感じに描いてみた。これが描ければ、あとは、なんてことはない。 人間だけでなく、動物、野菜や果物らしいもの、なにかわからないもの、などなど。とにかく、その時その時に描きたいもの、パレットに残った絵の具をもったいないから塗ったりなどして、玉は描かれていった。 この木の玉が、「玉っころちゃん」と名付けられるのは、まだもう少し先のこと…          続く。]]>

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