山形県ぜんぶの図書館をめぐる旅では、図書館の館長さんや司書さんたちとの出逢いはもちろんですが、図書館以外に立ち寄った場所での出逢いというのもあります。
人だけでなく、ものや景色、いろいろな出逢いがあるものです。
先日、大江町立図書館を訪れた時のことです。
ブログ用にと、図書館の入口で記念写真を撮っていました。
恥ずかしげもなく大げさにポーズをとって何枚も写真を撮っていたら、なにやら視線を感じました。
トラックから荷を下ろしていた手を止め、私に声をかけてきた方が。
その方は、「いやぁ、仲がいいですな!私くらいになると、写真を撮ったりしなくなるもんで!」と、満面の笑みでおっしゃいました。
話し方も笑顔もとてもフレンドリーな雰囲気の方でしたので、私たちもうれしくなって、自分たちの活動についてお話しました。
「実は私たちこういう者でして、今、山形県全部の図書館に絵本を寄贈してまわってるんです」と、写真を撮っている理由を説明すると、「なるほど、証拠写真ですね!」と頷いていました。
製本も自分たちでやっていること、ワークショップのこと、絵本販売についてなどなど、お話ししていくと、なんとその方もお菓子屋さんをやっているということで、どうやって商品を売っていくか、どうやってお客さんに知ってもらいファンになってもらうかという、共通の課題を持っていたので、「お互いがんばりましょう!!」と、別れ際にはなんだか同志のような心持ちになっていました。
その方が三代目だという銘菓処藤島屋の場所を教えていただき、私たちはその場所を目指しました。
お店では、奥様が待っていてくださいました。
お孫さんも顔を出してくれて、一緒に絵本についてや、本作りについて話したり、ついつい盛り上がってしまいました。
図書館前での立ち話の中で話題となった、作り方や油にこだわった人気のドーナツ(どーなつ)をお土産に、またお会いできることをお約束して、帰路につきました。
昔懐かしい優しいお味のドーナツでした。
帰りの車中、藤島屋さんでいただいた大江町のパンフレットのページをめくりながら、また次訪れる日が楽しみになったのでした。
図書館をめぐりながら、絵本を通じて人とつながり、それぞれの街の良さを発見する喜びもまた、味わっているのだと感じます。