The Paperback Art

東京は渋谷にあるMOTOYA Book・Cafe・Cafe・Galleryにて開催される、文庫本のブックデザイン展「The Paperback Art」に、あるほなつきも出品します。

MOTOYA Book・Cafe・Cafe・Galleryの本のイベントには、過去に「BOOK LOVERS」「Book+」と、2度参加させていただきました。

1階がgalleryになっています
1階がgalleryになっています
「BOOK LOVERS」には『AER』を出品
「BOOK LOVERS」には『AER』を出品
「BOOK+」では、『あかいかさ』『赤い傘』『128』を出品
「BOOK+」では、『あかいかさ』『赤い傘』『128』を出品

MOTOYAさんのイベントに参加させていただくようになってから、本を作っている方々と出会うきっかけができました。いろんな本を見ることができるだけでなく、その作り手の想いも知ることができるというのは、自分たちにとってとても意味のあることでした。

今回もまた、お声がけいただき参加できることを大変光栄に思っています。

前回参加させていただいた2つのイベントでは、あるほなつきオリジナルの本を出品しましたが、今回は文庫本の装丁と

いうことなので、まずは、本選びから。

芥川龍之介の『歯車』を選びました。

あるほもなつきも芥川龍之介が大好きなので、迷うことなく作家は決まり、作品については、最近の平面作品に、鉄や錆びをモチーフとして取り入れていることもあり、『歯車』がすぐイメージとして浮かび上がりました。

芥川龍之介『歯車』他『玄鶴山房』『或阿呆の一生』収録
芥川龍之介『歯車』他『玄鶴山房』『或阿呆の一生』収録

若い頃に何度も何度も読んだ作品ですが、また改めて読んでみると、新たな発見もあるものです。出てくる単語の持つ意味や情景が、年と共に変化しているからなのでしょうね。なんとも味わい深い1冊です。

その本のタイトルを、見た目ですぐに脳裏に『歯車』と思い浮かべさせるような装丁にしようということになりました。

まずは歯車の形をカット
まずは歯車の形をカット
切り抜き完了
切り抜き完了
切り抜いたものに歯車を描きこんでいきます
切り抜いたものに歯車を描きこんでいきます
これらは帙のデザインに使用します
これらは帙のデザインに使用します

いくつかの歯車を用いた表示デザインは、実はわざと歯車が噛み合わず回らないよう配置しています。また、帙に使用されている歯車の形は歪み、まるで水中の中にあるようなデザインにしました。

立体感も出ました
立体感も出ました

学生時代から大ファンの芥川龍之介の文庫本を、こんな風に自分で好きなようにリメイクできるなんて、あの頃の自分に見せてあげたい。感激するだろうな!

帙を製作中
帙を製作中

本の道に進んだからこその、装丁のスキル。そしてまた、展示の機会が与えられたからこその、ブックデザイン。

完成した作品は、またの機会にご紹介しますね。

MOTOYA Book・Cafe・Cafe・Gallery

9月の展示【 The Paperback Art 】

The Paperback Art

2023/9/7 (木)〜 10/1(日) 

13:00~20:00

※月曜・火曜・水曜 お休み

※最終日は17:00まで

※入場は閉館の30分前まで

装幀・装画など – 文庫本のブックデザイン展です。

通常のブックイベントとはまた違った表情を見ることの出来る機会ともなっています。

文庫本1冊から拡がる世界をお楽しみください。