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物事の変化を五感で感じて、その結果として時の流れを感じていたのだが、同じような現象にも関わらず、時がゆっくり流れているように感じたり、ふと気付けば過ぎ去っていたように感じたりするときがあることに気がついた。
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例えば夜が明けるまでの時間と、日が沈むまでの、まったく同じ時間であってもだ。
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僕は夜が明けるまでの時間と、日が沈むまでの時間で作品をつくり、その答えを探し始めた。
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そして、それは記憶と結びつく量やそのシーンから膨らむイメージの量の差ではないかと思うようになっていった。
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これらの撮影したものを見返すうちに、そこから朧気ながら、僕のやりたいことを知る。このときはじめて手法としての可能性を考え始めた。
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そこで、それらの撮影したものから沸いてきた「言葉」を意識し、意識した状態で更に撮影を重ね作品群として個展を開催した。2013年山形での「みぢかなところ」である。(つづく)