空気売りの少女 誕生まで #003

山形の僕らの地域では、5/3に水神祭があり、5月の中旬頃代掻き、下旬にかけて田植えとなる。

田んぼに水がかかるまえのいっときは、暑くなるが、不思議と水が入るとぐっと気温は下がる。とても過ごしやすい季節である。

田植えをしていると少し暑いと感じることはあるが、時折ふく風や、すーっと雲が直射日光を遮ってくれたりしてとても気持ちが良いのだ。

自宅用の飯米分だけなので、夕方前には田植えは終わり、機械を洗ったりしてもまだ日は落ちておらず、田植えの余韻は近くの公園で、遠くの山々をみながら過ごすのだ。

日が沈むまでの時間、不思議な感覚をおぼえる。あるところまでは、永遠とその場所にいるのではと感じるほど日はなかなか落ちてこないのだが、あるところから刻々と動いているのがわかるほどになるのだ。そして山際にくると、表面張力が解けるかとけないかを見守ってるかのような時間を感じ、そして、見えなくなる。

時間というものは、視覚の概念ではないけれどその流れを感じることができ、見えないモノを意識するヒントになった。時間を感じ、時間に身を任せ、静かに作品をつくりはじめていた。

コメントを残す