朝から雪が降り続いている鮭川の工房です。
今日は『空気売りの少女』製本動画作成のための、まだ撮れていなかったシーンや、原画、試作などの紹介映像を撮影しました。

窓の外は真っ白な雪景色。大きな粒の雪がしんしんと降っていてきれいでした。
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前回は、見返しを貼って、重石をして乾燥させるところまで終わっていたので、今日は仕上げのコーナーカットを。
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ワイドに広がる仕掛け絵本は、閉じるときにギリギリのラインを攻めているので、ページの角が折れてしまわないようにと、コーナーを丸くしています。『空気売りの少女』の製本には、たくさんの工程があり、一冊作るたびに大切に作っているな、と実感するのです。
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今の完成形に至るまでの道のりは、本当に長く、内容はできているのに、本の形状が決まらなかったり、決まっても納得いかず何度も何度も試作を繰り返したり、当てる写真をイメージに近づけていくことも、時間のかかる作業でした。
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原画は、今まで大事にしまっていたので、その箱を開けて見るの
は実に約4年ぶりではなかったでしょうか。『空気売りの少女』の企画展を開催したときには、複写したものをプリントして展示したので、本物の原画はその時も見ていませんでした。
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改めて見てみると、やはり原画はいいものですね。ペンの勢い、緊張感、伸びやかさなどが直に伝わってきます。そして、一番意外だったのは、その大きさでした。完成した作品の少女はとても小さいですが、原画は結構大きかったのだな、と書いた本人も忘れていました。でも、そういうものなのです。描いたらさいご、次に向かって進んでいるので、振り返ることはしないんですね。そして、振り返らずにすむ作品ほど、良いものだったりするのです。
これで全部素材は出そろいました。
あとは年末の公開に向けて、缶詰して編集するのみです。
公開をどうぞ楽しみにお待ちください!