コンテンツへスキップ
alfonatski

alfonatski

Works & Books

  • Profile
  • Works
    • 2022 Mogami River 2022
    • 2022 alfonatski 2022 / Bairi-en(梅里苑)
    • 2021 KOKAGE KOMOREBI
    • 2021 Mogami River 2021
    • 2021 Translucent 2021
    • 2020 “128”
    • 2020 TAMA 2020
    • 2020 TOKYO 2020
    • 2020 alfonatski 2020
    • 2019 honnanbooks 2019
    • 2018 空気売りの少女
    • 2018 La petite marchande d’air
    • 2016 TOKYO 2016
    • 2016 AlfoNatski 2016
    • PDF
    • Movie
    • Works list
  • あるほなつき書店
  • Exhibition
  • Shop
  • Blog
  • Contact
  • LIVE

タグ: artpoint

投稿日: 2020-09-30

作品だけはどこへでも!

2年前の今日は、『空気売りの少女』フランス語翻訳を進行中で、微妙なニュアンスの最終調整をしていたのでした。『空気売りの少女』では未来の世界として東京の景色が描かれているのですが、現在、alfonatskiの作品でも「東京 …

“作品だけはどこへでも!” の続きを読む

Share:

  • Facebook
  • Twitter

alfonatski_art

alfonatski_art
あるほなつきの作品はすべて記録し画集を作っている。

今日は、最近の作品を網羅した画集、alfonatski works IVが完成した。

これらは作品購入の際の手助けになるよう制作しています。

もう少し余裕ができたら、展示会の様子や、ふたりのやりとりや解説などもいれた見るための画集として出版したいと思います。

2013年からの作品を載せています。

I
Voice 2013, Familiar Place 2013, Aer > Aether 2014, L'eau de vie 2015, Collective Unconscious 2015

II
AlfoNatski 2016, TOKYO 2016, さがしもの 2018, La petite marchande d'air 2018, 空気売りの少女 2018, AlfoNatski 2019

III
TOKYO 2020, TAMA 2020, Prologue 2020, alfonatski 2020, Translucent 2021, H2O 2021

IV
Mogami River 2020-2021, alfonatski 2021, Nishimukai swamp 2021, KOKAGE KOMOREBI 2021, alfonatski 2022, Mogami River 2022, HENGEI 2022

今日はその中から順不同にいくつかをご紹介します。

#art #artbook #bookbiding #photography #写真好きな人と繋がりたい
昨日に引き続き、展示の雰囲気を! 昨日に引き続き、展示の雰囲気を!

Oct. 22nd - Nov. 14th, 2021
KOKAGE KOMOREBI
Y& GALLERY
alfonatski exhibition

あるほなつきは、見えないモノを意識する事の大切さをテーマに作品作りを続けてきた。
たとえ見る事が出来なくとも、そこに在ると仮定することにより、感じ、そこから何かを学ぼうとするプロジェクトだ。

本作品群は、人類が誕生する前からこの地球に存在し繁栄を極めている木に注目し、そこから何かを学び感じようとする試みだ。

木のある景色を眺めてみる。
ぼんやりと見る景色の中にある木には、焦点は合っていない。そんな景色の中にあったであろう木を思い出そうとすると、それはなぜかはっきりとした姿で頭の中に現れる。こうだったよ、と自信ありげに。

木を眺めてみる。
ある木を眺めているときは、木に焦点は合っている。でも、よく見ていたはずのその木を思い出そうとすると、なぜかぼんやりとしていて、細部まで思い出すことができない。記憶の頼りなさを思い知る。

木の背景を感じた結果として、木漏れ日と木陰の時間差を描き出すことに成功したように思うのだ。
August 21st - 29th, 2021 Minamihara Art Walk alfon August 21st - 29th, 2021
Minamihara Art Walk
alfonatski 屋外展示

描かれ、切り取られた、その被写体はたいてい、存在していたその場所には存在しないものです。絵は、部屋やギャラリーなどに飾られるのが常だからです。
そこを描いたのだから、そこにあって不自然なわけはないのだけれど、なぜか、はっとしてしまうのは、時間とともに景色は常に変化しているのに、絵の中の時間は止まっているから、なのかもしれません。

木を一本描いた。景色の中に置かれたその絵は、まるであたかも初めからそこに立っていました、と言わんばかりの顔をしていました。
描かれ、切り取られた、その絵は、本来、部屋やギャラリーに飾られるのが常であり、その場所には存在しないものです。
時間とともに景色は常に変化しているのに、絵の中の時間は止まっている。
そこにあって不自然なわけはないはずと、その絵を同じ時間、風雨にさらすことにしたのです。

1週間後、沼の周りに置いた絵を、撤去しにいく。
何度かの雨風に打たれ、一部剥がれていたり、波打っていたり、泥や草や葉が絵の表面に付いたりしていた。生き物の気配も感じた。止まっていた絵に、時間と空間が加わった証拠だ。描いた時とは違った表情が、新鮮だった。
そして、この絵と、この場所の関係性についてさまざまなことを考えた。
ワークショップを開催するときは、見本をつくる。断捨離をテーマにしたstudio rin-neさんでのワークショップの時につくった、本旅プレをまとめた1冊。
この旅では、自分が生まれ育った地元の図書館に、その付近で撮影した『空気売りの少女』を蔵書していただいた。
そんな思い出も詰まった1冊になった。
見本のための見本ではなく、まじな産物を、見本としました。
本旅は、本をつくって旅をする。
あるほなつき、今年からいよいよ本格的に「本旅」(本をつくって旅をする)始めます。昨年、この「あるほなつき号」の塗装が完成した頃、インスタグラムのメインアカウントにアクセスがやや困難になり、メインをこちらに変更しています。
そういえば、こちらでは、あるほなつき号のご紹介がまだでした。
こんな感じで走っています!
見かけたらぜひ、手をふってくださいね!本旅の詳細は、雪解けと同時に(^-^)!今、寒くてDIYがー
#タカラ塗料 #タカラ塗料オリジナルペイント #軽バンライフ #軽バン #ART
2021年2月より途切れることなく、まむ 2021年2月より途切れることなく、まむろ川温泉梅里苑(ばいりえん)ラウンジ囲炉裏にての、展示。
もうすぐ2年になります。これまでの展示の断片を。
#あるほなつき展 #exhibition #梅里苑 #mamurogawa
2021年2月より途切れることなく、まむ 2021年2月より途切れることなく、まむろ川温泉梅里苑(ばいりえん)ラウンジ囲炉裏にての、展示。
もうすぐ2年になります。これまでのポスターを振り返りました。
#あるほなつき展 #exhibition #梅里苑 #mamurogawa
今日は読み聞かせ講演会とワークショップの様子をご紹介します。
村山市立冨本小学校で、2022年11月25日に行われた、おはなし会と、その時のワークショップから仕上げた1冊の本です。

こちらに呼んでいただくのはもう4回目になります。毎年、どんな内容でいこうかと、思案するのも楽しみになっています。
本に親しむ時間と題して、読み聞かせあり、ワークショップあり、製本実演ありの、盛りだくさんの内容を45分間にタイトに詰め込みました。
学校に到着し会場に案内されると、なんと!入口やテーブルや壁、会場中に「木の玉っころちゃん」が飾られていて、びっくり!歓迎されているなぁと感じ、本当にうれしかったです。
会場はランチルーム。広い会場での読み聞かせには、いつもプロジェクターを使っています。

一番はじめの読み聞かせは、『木の玉っころちゃん』。会場中が玉っころちゃんワールドだったので、読まないわけにはいきませんね!定番の「やさいとくだもの」では、いろんな野菜の名前が、会場からたくさん聞こえてきました。

玉っころちゃんの読み聞かせがおわったら、その流れで、ワークショップへ。
今日はひとり一ページ、玉っころちゃんを使って、どんなことを話しているか、考えてもらいました。

それが終わり次第、これから読む本を作りますよ!
ということで、実際に製本をして見せました。
ページの並べ替え、糸かがり、ハードカバー作り、見返し貼りを、三分クッキング方式で。乾燥時間が必要なところは、事前に作っておいたものを使用して次の行程をすることで、時短ながらにしっかり順を追って実演してみせることができました。手元を撮影して、プロジェクターで映し出しました。
最後の仕上げ、ダストカバーをつけて、販売するものと同じ状態になったところで、早速その本を用いて、読み聞かせを。
進化シリーズより、『ぬきつぬかれつ』をスクリーンで大きく映し出して読みました。

年が明けてしまいましたが、ワークショップで書いた「木の玉っころちゃん」のお話を1冊にまとめた本。
中身は、タイトルのあいうえお順に並べ替えたので、先生が考えたお話も、児童の皆さんが考えたお話もごちゃ混ぜになっています。バラバラのようで、タイトルが似たもの同士近くのページにあるため、不思議な流れもあって、いい感じの一冊になったと思います。
#読み聞かせ #講演会 #製本 #製本実演 #えほん #絵本
昨年から、多種多様の製本ワークショップを開催しておりますので、たまにはこのようなご紹介も!

こちらは、上山市立図書館で2023年1月14日に行われた小学生を対象にしたワークショップの模様です。
企画展「あるほなつきの本 作る、創る、造る展」の玉っころちゃんの展示に合わせて行われた製本ワークショップ。図書館での製本企画は、そもそも本が大好きな方が多くあつい!
一時間半の時間の中で、簡単な糸かがり製本と、ハードカバー作り、二つの本作り体験をする内容でした。ハードカバーは、自分で描いた絵が表紙になります。
描いてもらった絵はフレームに入れてお持ち帰りできます。
何の気なしに描いたものでも、こうやってフレームに入れてみると、なんだかうれしいですよね!身近なところに絵を飾る楽しみを覚えると、普段の生活も何か景色が変わって見えるかもしれません。

#製本ワークショップ #製本教室  #上山市立図書館 #製本 #本旅 #創る作る造る
『空気売りの少女』ー作①
上山市立図書館にて展示中
創る、作る、造るに、込めた想い

空気をテーマにした作品を携えて2014年、フランスのアルルで開催されたフォトレビューに参加した。そのやり取りの中で、「おまえのことは、誰も知らないのだから、知ってもらえる手段を用意しろ」という言葉があった。そこで自分は写真集、ひいては本(絵本)をつくる必要性を感じた。同時に、自分は小さい頃から本を造っている姿はうんざりするほど見てきたし、自分もつくったことがあるじゃないかということを思い出した。なにより、このとき作品は、和綴じのポートフォリオで持参し、レビュー会場の多くのアーティストやアシスタントから注目を浴びたのだった。
「これを造れるなら、あなたならできる」とも、言われた。はい、そうでした。
せっかくなので、そのとき持参したstatementです。これが空気売りの少女を作る出発点です。

VOICE, 2013
2011年、東北大震災では地震・津波といった被害にとどまらず、原発事故が発生しました。東北に生きた先人は、山や川や草や木などの自然のなかに神を見出しました。そして、それぞれの神や祖霊とともに生き、豊かな精神文化を具現化して民間信仰として伝承してきました。災害が終息しないのは、大切にすべきその伝承がいつのまにか途絶えてしまっていたからだとも思えました。
同時に、いま東北で生きている私には、先人から受け継いだ心を未来へ伝える役割を持っている。そう、強く感じたのです。
湖面の波紋は果てしなく広がる希望を描き、木漏れ陽は温かく包まれたときの優しさを伝え、草木の映り込みは世の中の実像と虚像の二面性を教えてくれます。
私はこれらの光景を写し撮りながら、東北で生きる人々がいにしえから聞いてきたはずの山川草木の声を具現化したいと思っています。多くの人々が山川草木の声を聞く心を取り戻し、地球の輝かしい未来を創造するために……。
上山市立図書館にて展示中
創る、作る、造るに、込めた想い
『空気売りの少女』ー創 ⑩

このように、『空気売りの少女』は、これまでの人生でのさまざまな経験を思い出したり、その経験に解釈をあたえたりすることによって創られていった。
あるほと、なつきの価値観に大きな違いがあることがよい方向に作用したとも今となれば思う。
『空気売りの少女』が創られた過程は、事実を並べてみれば、0から1を創り出し続けたこととして並べられるが、このように各過程を紐解いてみれば、すでに、経験によって創り出されていたもの、無意識に考えが進んでいたことなどに、単に「気づく」ことだったと言えるのかもしれない。
水を売っている光景を目にした衝撃のように『空気売りの少女』が、どのような具体的な経験に基づいているのか思い出したと同時に、思い出せないが脳が記憶していることや、脳が勘違いしていることも作用しているのではないかと考えると、この出来上がった本を自身で読み解くことも、これから先面白いかもしれません。
上山市立図書館にて展示中
創る、作る、造るに、込めた想い
『空気売りの少女』ー創 ⑨
創⑦、⑧話で、お話ししたとおり、撮ってもらいたくないという被写体の、何を撮るか、どう撮るか、撮ることのモチベーションは何か。このあたりを深く考えることにより、この写真を撮る作業を通しての本質が次第に浮かび上がってきたのです。
空気売りの少女のビジュアル化にあたり、言葉を排したことこそが、よりリアル、すなわち、読み手の記憶と結びつきやすい像に結実したのではないかと思います。

以下、フリーペーパー「あるほなつき」No.3 2017年4月1日発行より

理由はいらないのか
僕(ら)は感動したことを言葉にして伝える。しかし、実際にその場にいれば一番よく、それを言葉にしたり撮影したモノは、伝えている側からは努力はしても補えない部分はあるし、その言葉の受取方がそれぞれによって異なることを排除することは難しい。そういった点では言葉にして考えるよりも直感はとても重要だ。人を撮るということは、まさに、そのようなことだと思ったのだ。だったら、僕は、みたままを、ありのままを、伝えようじゃないか!言葉で説明するまでもなく、楽しんでいたり、仕事していたり、様々な感情をかかえるときもある。いずれの状況でも、言葉に縛られずに撮りたいと思うようになっていった。「鏡を見ることが嫌い」ということからはじまって、「撮られた写真は誰のためのものなのか」など、さまざまな、壁にぶつかりながらも、今では僕らの間に写真があることは、日常になっていったのである。同じシーンを視覚的に撮ることは可能かも知れないけれど、写真が特別なモノでなくなった瞬間に、それは、なつきを撮るということすらを超えた、ぼくらの生き方であり、表現したいこと伝えたいことが知らず知らず写り込むモノになっている気がしている。
ーーー引用ここまで

自分たちのアート活動にとって、言葉を大事にする部分と同様に、言葉を排する部分も重要だと思っています。
上山市立図書館にて展示中
創る、作る、造るに、込めた想い
『空気売りの少女』ー創 ⑧
今日はそもそも、なぜ、なつきを撮るようになったのか、そのきっかけについて語りたいと思います。

2015年秋 アートワークとして、なつきの写真を撮り始める
2017年3月8日 空気シリーズ3部作ストーリー原案完成
2017年4月1日 フリーペーパー「あるほなつき」No.3 発行(*以下引用記事)
2018年5月24 空気売りの少女メインビジュアル完成(撮影)
2018年7月18日 空気売りの少女出版

空気売りの少女のストーリー原案が出来たのは2017年3月8日なので、このフリーペーパーの文章を書いている時期と重なります。一方、空気売りの少女のビジュアルイメージは、それから一年をかけて、形づくられたことになります。

以下、フリーペーパー「あるほなつき」No.3 2017年4月1日発行より
人を撮るということ(あるほ)
伝えたいことを伝える手段のひとつとして、僕の場合は「写真」があるように思う。「写真」という一つの概念が共通言語として働き、僕の感じたことを伝えやすいと思ったのであろう。山形に来るまでは、全く興味のなかった風景も住むことによって、身近になり、撮りたいと思わせた。一方、人を撮りたいという思いは、昔からあった。それは内面が表情にあらわれるだけでなく、相反してさえも、その人のことを感じることができることに興味を持っていたのだろうと思う。視覚的に表面が写る「写真」、そのこと自体にはまったく興味がなく、むしろ、そこから読み解ける、あるいは、感じられる何かが、興味深かったし、なぜ、感じることができるのか、探し求めていたのだ。
風景を撮りたい衝動に理由はなかった。遡って理由をもっともらしく探してみることは出来なくはないけれど、ただ、撮りたかったの一言で済んでしまう。しかし、人を撮るということには、理由を探していた。だから、理由がみつからず、50歳になったら、人を撮ろう思ったのも今ならうなずける話なのだ。

なつきを撮るということ
計画をたてるということは、僕には何も意味を持たない。ただ、こういうこともあるであろうという可能性をあきらかにするだけの行為である。なつきと出会って二人展のDMをつくりながら、僕の将来像を語る場面があった。
(お互いを知るよりも先に二人展の開催が決まってしまったからというだけでなく、あまりにもお互いの価値観が違いすぎたことも手伝って、お互いのことを知りたいと思うようになっていった。)
当然、50歳になったら、人を撮りたいということも語ったが、そのときに素朴な疑問が返された。「なぜ50歳からなのか?」と。それには思わず笑ってしまった。
「そだね!」そんな感じで、前倒しで人を撮ってみようと、思えたのだ。人を撮りはじめるということにも、理由はいらなかったのだ。撮る人もいないから、なつきを撮ってみるかな。そのときは、そう思っていた。

ーー
このような、きっかけで、2015年の秋、人を撮るという、アートワークも始まってしまいました。(つづく)
ー閑話休題ー
上山市立図書館にて展示中
創る、作る、造るに、込めた想い
『空気売りの少女』ー創 ⑦
2015年から、2017年に出版社「るーつ企画」を立ち上げ鮭川村の工房を始動するまでのあるほなつきの活動は、SNSでの日々の更新とともに、2017年にフリーペーパーにまとめあげた。このまとめる作業を経て、当時の活動を振り返り言葉にしたことは、その後の活動が「本」にシフトした大きなきっかけだったように思う。
これから数回に分けて、空気売りの少女がビジュアルとして創られるまでのエピソードを当時のフリーペーパーから引用しながら紐といていきたいと思う。今日は2017年4月1日発行のフリーペーパー「あるほなつき」第3号から、なつきの言葉による、写真を撮られる側の気持ちと、人と背景の比率のヒントが創り出されたきっかけについて。
以下、フリーペーパー「あるほなつき」2017年4月1日発行より

写真 第1章 なつき
鏡がきらいだ。
朝、顔を洗うときも、トイレに行って手を洗うときも、私は手もとばかりを見ている。正面の鏡は見れない。自分の顔を見たくないからね。
嫌いなんだ、自分の顔が。
だからもちろん、写真なんか嫌いだった。だって、目が半開きになるかも知れないし、鼻の穴が丸見えかも知れないし。ちがうな。いや、それもあるけど本当は、太って見えたら嫌だし、顔がデカく見えたら嫌だし、目が小さく写るのも嫌だ。おかしな話だ。写真はその通りにしか写さないのにね!結局は、自分の身体的なコンプレックスを、写真によって「はい、あなたの本当の姿はこうですよ」と、提示されるのが怖いのだ。
だから、嫌いだったんだ!写真を撮られることも、撮られるのを嫌う自分も。
自分のことを客観視できないという事実をつきつけられるんだから。本当はこうなりたいのに、そうでない自分を受け入れられない。こんなの自分じゃない!と悲鳴を上げて、逃げる。
あるほは、私の写真を撮りたいと言った。私は後ろ姿ならいいよ、と言った。
あるほの撮る私の後ろ姿は、今まで撮った自撮り(自撮りは、さあ、撮るぞ!と覚悟を決めて自分の納得のいく表情をキメて撮っていた)や、この写真の自分はいいな、と思っていた正面の写真なんかより、ずっと素敵だった。そしてなにより、自分らしい気がしたんだ。
遠くからなら、撮ってもいいよ。
ちっちゃな私の姿は、景色の一部になり、でもちっちゃいなりに存在感を発していた。ちっちゃくても、「わたし」とわかった。そして、そんな自分の姿を、だんだん受け入れられるようになってきていた。
上山市立図書館にて展示中
創る、作る、造るに、込めた想い
『空気売りの少女』ー創る編ー今日はひとやすみ

上山市立図書館での展示と並行して、展示を補足する想いを書き連ねている。創る、作る、造るの、創る編です。

展示は、こうかもしれない、あーかもしれない、ちがうんじゃない?本当かな?など、やりとりを楽しんでもらいたい。あるほと、なつきですら一つの作品をつくりおえても、その解釈は違うときもあるし、同じ作品に対して、それぞれですら昨日と今日で想いが違うこともあるのだから、そもそも、本当のこたえすらない。解釈を一つにすることを前提としておらず、かといってとっちらかってるわけでもなく、妥協せずに話し合いが終わったあとの状態をありのまま提示しているような感じ、かもしれない。
と、展示をみながら勝手に思い描いて楽しんで欲しい。

が、
図書館での展示ということもあり、自分たちのことをまったく知らない人たちにも公開していただくのだから、説明書きをもう少し入れようかとも迷った。
試行錯誤のすえ、
やはり従来通りの作品展として展示することにした。

一方、
当時の資料や過程のメモなどを初公開した。
走り書きは、頭が閃いた、まだカタチとなっていないアイディアを書き留める手段であり、自分が最低限思い返せる記号である。人に伝える手段としてではない。そこで、常時滞在することも叶わぬから、さすがに、そういった部分は説明すべきかなと思ったのです。*このあたりは、作る編で語ります。

創る編では、ゼロからイチを。
空気をテーマにした理由、空気売りの少女が生まれたいきさつ、あるほなつきの歩みなどを語っていきます。創る編⑦からは、空気売りの少女が生まれたいきさつ、をはじめます。

作る編では、さまざまな、あるほなつき展をひもときながら、あるほなつきの作品が形作られるまでを、展示のご紹介とともに語ります。

造る偏は、本造りからはじめて、表現活動として向かう先を提示したいと思います。野外展示や、アート作品とともにご紹介できたらよいなと思います。

上山市立図書館の展示は、2月27日までですので、このお話は、その日の完結を目指していきます。
どうか、最後までお付き合い下さいますよう。
ご質問や、感想、意味がわからなかったことなど、ぜひ、メッセージをお寄せください。

空気売りの少女については、下記2つの動画もぜひご覧下さい。チャンネル登録もあるほなつきの原動力になりますので、是非ともお願いします。

空気売りの少女の、トークと製本の動画
https://www.youtube.com/watch?v=iDFdqukzWnA

夏木マリGIFTiD朗読 YouTube 『空気売りの少女』
https://www.youtube.com/watch?v=Ot-GUDgo2LM
上山市立図書館にて展示中
創る、作る、造るに、込めた想い
『空気売りの少女』ー創⑥
2015年8月に、はじめての、あるほなつき展を開催した。このころのあるほのテーマは相変わらず、「空気をみる」ということでした。
「脳が五感で感じ取るまでの時間」と、「視覚から入力された情報から脳が言葉にするまでの時間」の差に違和感を仕込むために、試行錯誤していました。
今となっては、その展示そのものが、答えであったと思えるのですが、そのころはまだ、言葉にする段階にはありませんでした。
*写真は、第1回目のあるほなつき展の様子
はじめまして、から2カ月のころ。互いの作品についての理解はほとんどなく、それゆえ隠れたテーマを「緑」としました。
はじめて話しますが、それぞれの生まれが、国道4号線に近く、R4などという候補もありました。もちろん、「赤」という可能性もありました。
上山市立図書館にて展示中
創る、作る、造るに、込めた想い
『空気売りの少女』ー創⑤
*まだまだ、「創る」が続きます
この時期に浮かび上がったテーマは、いくつかあります。それは、手もとに撮りためてある写真を、何百回も見返すことにより、浮かび上がってきたテーマです。写真作品は、少なくとも3段階のジャッジを経ていると思うのです。撮るとき、セレクトするとき、そして世に出すときです。
撮影するときは、とにかくできるかぎり「言葉」や「思考をまとめること」を排し、脳が撮りたいそれの、ために、全面協力です。
四隅を物理的に見るよりも早く脳は感じています。
視覚情報だけではありません。鳥の鳴き声、葉が擦れ合う音、奇妙な鳴き声、ポンプが駆動する音などなど。
言葉にするより早く、ありとあらゆる五感の記憶を引っ張り出し、整理し、勘違いし、撮りたい何かを決定しています。ありとあらゆる五感の記憶は僕のこれまでの人生に近いモノと言えるでしょう。
それを撮りたい。

だからこそ、何回も見返すことで、その全体像から浮かび上がってくる言葉があるのです。
(今日は、ここまで)
*今日の写真は、記憶がテーマにのぼってきたあたりの作品、あるほなつき作、写真絵詩集『さがしています』『あやふやのまま』の背景にもなっています。
上山市立図書館にて展示中
創る、作る、造るに、込めた想い
『空気売りの少女』ー創④
さて、そのようなテーマが浮かび上がってきてからは、空気に対する意識は、無意識から意識するモノになり、やがてまた無意識的にとらえるようになっていったように思う。
その間、
「そこに何かが在ると思えること」このことを表現していたと、より広い視点で「み」ることになった。
また、カメラと人間の目のちがい、特に、カメラが中空でピントをあわせ続けることが出来るということは、空気が撮れると確信した瞬間であった。(このあたりは、どこまでが真剣で、どこまでが皮肉なのかわからないあたりも気に入っていて、それこそ北杜夫の世界にふれてきたからなのかなと嬉しくなったものだ。)

*今日の1枚は、このような過程を経て、『空気売りの少女』を出版して、何年も経ってから、あるほなつきで、仕上げた1枚

*参考『空気売りの少女』ー創③の写真作品
上山市立図書館企画展
創る、作る、造るに、込めた想い
『空気売りの少女』ー創③
フランスのアルルで、フォトレビューを受けたのは、2014年のことでした。
これらの作品は、たとえば、夏と冬とか、上流と下流など、違和感を感じうるぎりぎりのところを重ね合わせた作品たちです。
AER>AETHER 2014
第一印象ではほのかな違和感を感じつつ、無意識では違和感の正体を認識している。そのような状態を見ていただく方に生じさせたかったのです。
このようなアプローチは、『空気売りの少女』でも重要な要素になりました。
上山市立図書館にて展示中
創る、作る、造るに、込めた想い
『空気売りの少女』ー創②
山形には、草木塔というものがあって、簡単に言えば、草木に感謝する、そのための碑である。やがて、山川草木悉皆成仏という言葉に触れ、この世界観を自分なりに解釈してみたい、それをだれかに伝えたいと思うようになった。このころから、撮りためていた「写真」を見返すという作業の中で、「見えないものの、声を聞く」という言葉が浮かび上がり『VOICE』というプロジェクトを完成させたのでした。2013年のことでした。
さらに読み込む Instagram でフォロー

alfonatski Follow

alfonatski
alfonatski alfonatski @alfonatski ·
02.02.23

写真を投稿しましたhttps://www.instagram.com/p/CoKEgwJrYD1/?igshid=YTgzYjQ4ZTY=

alfonatski alfonatski @alfonatski ·
02.01.23

写真を投稿しましたhttps://www.instagram.com/p/CoHj2mJL11U/?igshid=YTgzYjQ4ZTY=

alfonatski alfonatski @alfonatski ·
01.31.23

写真を投稿しましたhttps://www.instagram.com/p/CoFDWNpvYoG/?igshid=YTgzYjQ4ZTY=

Load More...

2023年2月
月 火 水 木 金 土 日
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728  
« 1月    

AlfoNatski (490) art (385) artbook (142) books (234) photo (76) picturebook (165) あるほなつき (756) あるほなつき作品展 (115) えほん (103) お弁当 (300) るーつ企画 (283) アートブック (80) ランチ (120) 写真絵本 (250) 木の玉っころちゃん (142) 空気売りの少女 (93) 絵本 (102) 製本 (154)

Creative Commons License
This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • mail
Copyright ©alfonatski 2017 - 2023